たまに学会で女性医師のキャリアについての話を聞いたりする。
子育て、家事、研究、臨床とすべてをこなすスーパーウーマン的な人が出てきて話をしていることが多い。
「頑張ればすべてできますよ」と。
しかしこれは一般の女性がついていけないのではないかと思う。
そこで、もっとユルい女性のキャリアデザインがないか考えてみる。
皮膚科女性医師の現状
皮膚科は女性医師の割合が多い。
男女比は男性47%、女性53%だそうだ。(日本皮膚科学会雑誌122巻13号 p3593)
さらに20代は7割が女性で、その7割が10年以内に医局を辞めるという。
この計算だと10年で皮膚科勤務医は半分になってしまう。
職場環境の問題で非常勤での勤務を余儀なくされる女性医師も多く、出産後に復帰できる体制の整備、子育て中の女性医師の支援が急務とされている。
でも最初からパート医を希望している女性も41%(男性6%)いるそうだ。
みんなが医師としてバリバリキャリアを築いていきたいわけではないということだ。
ママさん女医「家庭を大事にしながら働ければ充分でキャリアアップとか不要」と 。
キャリアアップしたいはずだ、とか
女もキャリアアップしよう、って完全に上からの押し付けなんだなぁ。。|ω・`)
女性医師問題を考える上で、この実態を把握しておくことは重要だろう。
女性のキャリアの分類
『時代遅れの腰かけOL、専業主婦?【書評】「女子のキャリア」』の記事で書いたように、女性のキャリアはバリキャリ系とハピキャリ系の2つに分類される。
女性医師はどちらが多いのかは分からないが、パート医希望が4割という結果からはハピキャリ志向の人(図の③のパターン)が結構いると予想される。
女性医師問題対策として①のキャリアを支援しようという動きが多いようだが、方向性が根本的に間違っている可能性がある。
支援されても、そんなハードなキャリアは望んでいない。
それではハピキャリ志望の人のキャリアデザインはどうすればよいか。
女性医師のハピキャリ戦略
ハピキャリでパート労働する人(図の③のパターン)も経済状況に応じて2種類に分けられる。
- 家計の維持のためにパート
- 家計的には必要ないが趣味的にパート
目指すのは当然2である。
生活のための労働は夫にしてもらって、自分は自己実現のためにやりたい仕事をやるというキャリア。これを新専業主婦と呼ぶそうだ。
▼新専業主婦について▼
そのためにはある程度稼ぎの良い男性と結婚する必要があるが、理想的なキャリアに思える。
女性医師は医師免許があるので一般の人と比べて仕事を得るのは容易なはずで、あとは稼ぎの良い夫がいればこのコースに乗れる。
仕事にどれくらい重きを置くかは、その人のやる気次第でよい。
オススメ:新専業主婦を目指すキャリアデザイン
一番お手軽にいきたいなら、医者と結婚して、開業医の夫と一緒に週3回くらい皮膚科診療をするというのがよさそうだと思う。専門医も維持できるし。
そのために大事なことは2つ。
- 一つは学生の時から相手を見つけておくこと
- 二つ目は皮膚科専門医を取得しておくこと
まず結婚相手をみつける戦略が大事。
▼女性医師の恋愛戦略▼
また専門医も必要だ。今後専門医がないと皮膚科を標榜できなくなる可能性もある。
仕事と育児の両立がキツくて専門医をとる前に辞めてしまう人もいるが、そうなると結構厳しい気がする。
一度医局を辞めてしまったらおそらく取得は不可能である。
行き当たりばったりで生きてきて、詰んでしまっている人もよく見かける。
医局を辞めてしまったが専門医がなくて、バイトも難しいから専業主婦をしている人。
女性のキャリアデザインは男よりだいぶ複雑なので、十分に戦略を練らないといけないようだ。
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