2023年の初ブログ。
今回は2022年に読んだ本の中からベスト10を紹介する。
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1位:嫌われた監督
中日ドラゴンズの落合監督を描いたスポーツノンフィクション。
ノンフィクションながら群像劇の小説のようなストーリー性があって引き込まれる。
さらに落ちこぼれ記者のビルドゥングスロマン(成長小説)にもなっているすごい本。
今まで読んだ野球関連の本では一番かもしれない。
2位:後妻業
妻に先立たれ結婚相談所に登録する資産家老人。
彼らの資産を狙って近づく女を「後妻業(ごさいぎょう)」と言うらしい。
その実態(?)が探偵小説の形で描かれている。
今後、団塊の世代が独り身になり、こういうのは増えるんじゃないだろうか。
(若者を情報商材のマルチにハメるよりもイージーな気がする)
自衛のために読んでおきたい小説である。
3位:孤独の宰相
菅政権の裏側を描いたドキュメンタリー。
数多くの改革を成し遂げた菅総理だが、彼の評価は芳しくない。
その理由はパフォーマンスを軽視したこと。
菅総理は小池百合子のことを「パフォーマンスだけで信念がない」と嫌っていたそうだ。
自分も同じで、中身がないのに自己アピールが上手いだけでチヤホヤされている人間には腹が立つ。
しかし結局、コロナ対策で小池都知事のパフォーマンス足元をすくわれてしまった。
皮肉だけど世の中そんなものなんだろうな。
4位:勤務医の転職
現場と衝突して退職を繰り返すドロッポ医師の転職記。
これは一見の価値あり。特にお金とやりがいのバランスについて考えさせられる。
しかしこれだけトラブっても、すぐに次の就職先(年収1500万クラス)が見つかるのが医師免許の強さなんだな。
5位:書く仕事がしたい
ライターになるために必要なことが解説された本。
文章技術ではなく、仕事の取り方やスケジュール管理、セルフブランディングなど戦略的なことが主になっている。
書く仕事に興味がある自分にとっては興味深かかった。
さらに他の仕事にも応用できそうな内容である。
6位:映画を早送りで観る人たち
こういう一面的な若者論は嫌いなんだけど、最近のサブカルコンテンツの位置づけが解説されていて面白かった。
自分が若い頃はマンガやアニメはオタクのためのコンテンツであり、気持ち悪いものというイメージが強かったと思う。
しかし今は一般大衆のものに変化した。
そしてどれだけ多くのコンテンツを消費できるかが重要になっているのだという。
そのためには倍速視聴が必須。
時代の変化を感じさせれられるところである。
7位:アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した
アマゾンやウーバーの労働の実態が分かる本。
アマゾンの倉庫では職員の行動がすべてGPSでチェックされ、過酷な労働を強いられている。
まさに現代の奴隷労働である。
そしてそんな労働の恩恵を一番受けてるのが我々という皮肉。
現代の便利な生活は奴隷労働のお陰で成り立っている。
労働者の権利を守れ!なんてキレイゴトは安易には言えなくなっているんだよな。
8位:選択の科学
選択にまつわるデータを解説した本。
選択肢がない場合より、いくつかの選択肢から選んだほうが満足度が下がる。
このパラドックスを理解しておくと色々と理解が深まるような気がする。
たとえば最近話題の弱者男性。
客観的に見れば、働かずに食べていける選択肢がある弱者女性より、弱者男性のほうが救いがない。
しかしなまじ選択肢が多い分、主観的には女性のほうが不幸感が強いのかもしれない。
9位:コスパで考える学歴攻略法
中高一貫校コースと公立中学校コースのどちらが有利なのかを考察した本。
重課金で中高一貫から底辺医学部に滑り込んだ低能としては、非常に興味深いテーマである。
10位:言の葉の庭
新海誠の映画を一気見したついでに読んだ小説。
小説原作の映画はよくあるが、映画原作の小説は珍しい。
「言の葉の庭」は50分弱の短い作品で、ストーリーよりも雰囲気を楽しむ映画である。
しかし小説版では、一瞬しか登場しなかったモブたちが掘り下げられ、ストーリーに奥行が加えられている。
それが「言の葉の庭」という作品の幅を広げていて面白かった。
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