ここでは皮膚科医にとって最初の目標となる専門医取得について解説したいと思います。
皮膚科専門医試験の内容・難易度
試験内容
試験問題は全部で120問です。
100問はマークシート式の選択問題、20問は記述式の問題になっています。
試験の難易度
試験の難易度はかなり高いです。
ホームページには臨床に即した問題を出題すると書かれています。
試験は原則として臨床時に必要な問題を主とし,真面目に研修を行った者には容易な程度とし,いたずらに難解な問題は避けるように申し合わせております.
出題範囲は,研修内容に準拠します.
しかし「新しく見つかった遺伝子」など、普通に臨床をやっているだけでは絶対に解けない問題がたくさん出題されています。
よって日常診療を真面目に行うだけでは合格することは不可能だと思います。
合格点
評価は絶対評価ではなくて相対評価のようです。
問題の難易度は平均点が70%くらいになるように作られています。
あらかじめ決定された平均から一定の標準偏差以下の人を不合格としています。
80%をこえると受験生の出来不出来によるバラツキで試験の正確性が低下するという統計学のデータもあり,今年も全体の平均正答率も70%程度まで下がるようにしました。
だいたい正解率60~65%くらいがボーダーラインで、70%正解できれば合格できそうです。
ちなみに合格率は例年80%程度のようです。
<皮膚科専門医試験の合格率>
平成30年度 受験生231名:合格者182名(合格率78.8%)
令和元年度 受験生231名:合格者185名(合格率80.0%)
令和2年度 受験生220名:合格者177名(合格率80.5%)
令和3年度 受験生300名:合格者248名(合格率82.7%)
令和4年度 受験生330名:合格者267名(合格率80.9%)
令和5年度 受験生291名:合格者236名(合格率81.1%)
皮膚科専門医試験の勉強法・対策
専門医試験の勉強法ですが、一番重要なのは過去問だと思います。
その他セミナーや出題範囲について解説します。
皮膚科専門医試験の過去問
過去の試験問題と同様の問題が一定数(2割程度)出題されるため、確実に正解することが合格への第一歩です。
過去問は皮膚科学会のホームページから無料でダウンロード可能です(会員限定)。
また学会ホームページの申込書で冊子版を購入することもできます(1冊3000円)。
予行演習として過去問を解く場合は冊子の方がおすすめです。
解答はついていないため、以下のサイトを参考にするとよいです。
皮膚科専門医試験の解答・解説
サイト内に掲示板があり、そこに専門医試験を受けた人たちやこれから受ける人たちがコメントを書いています。
試験後には受験生のみなさんが解答をアップされているので、過去問を解く際の参考になります。
会員登録が必要なので、早めに登録しておきましょう。
また「専門医試験対策クイズ」というコーナーもあり勉強になります(ここから出題されることはないようですが)。
2.皮膚科専門医試験勉強されている方、皮膚病、皮膚に関心のある方のためのブログ!!!
専門医試験の解答と解説が掲載されているブログです。
残念ながら最近は更新が途絶えており、2015年までの分しかありません。
ページが重いのが難点です。
セミナー
以前まで試験の1か月前に、札幌病理研究所主宰の病理セミナー「皮膚病理講座 基礎編」が行われていました。
専門医試験の出題範囲の病理をすべて網羅したセミナーで、自分も受講しました。
分量はとても多いですが復習に役立ちました。
(全範囲の知識がある程度頭に入っていることが前提)
現在はセミナーは行われておらず、代わりに有料の動画配信が行われています。
動画の内容はわかりませんが、以前と同様の内容であれば役に立つかもしれません。
その他
問題の一部は以下のものから出題されるとされています。
- 日本皮膚科学会雑誌の原著・セミナリウム
- The Journal of Dermatologyに掲載された症例
- 診療ガイドライン
- 日本皮膚科学会主催研修講習会テキスト
最近は診療ガイドラインが次々とリリースされており全部カバーするのは大変ですが、ガイドライン関連の問題は必ず出題されるため重要です。
詳細はこちら>>皮膚科関連ガイドラインのまとめ&レビュー
また講習会のテキストは販売されていますが、高額な上(1年分:1万5000円)そこまで勉強する時間があるかはわかりません。
皮膚科専門医試験の日程
試験は12月上旬の日曜日に東京で行われます。
2023年皮膚科専門医試験日程
2023年12月3日(日)東京都内予定
(書類提出期限:2023年7月1日~7月31日)
合格発表は約1ヶ月後です。
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