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皮膚科医の読書記録2019年4月

 

4月の書評は本5冊、マンガ1つ。

本年度もそこそこ読めていると思う。

 

▼先月の書評はこちら▼

皮膚科医の読書記録2019年3月
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1. 研修医のための人生ライフ向上塾

評価★★★★★4

これはとてもよい本。

研修医がバーンアウトしないためのコツがコミカルに解説されている。

なぜかハンターハンターネタが多く、ウケを狙いすぎた感もあるが内容は実はマジメ。

「意識高い系」の教科書ばかりが書店に並ぶ中、こういう本の存在はとても重要だと思う。

研修医の4人に1人がうつになるというデータがあり、筆者の先生も研修医時代にうつになったそうだ。

自分もバーンアウトしかけたことがあり、当時助けになったのはmedtoolz先生のブログ春日武彦先生の書籍

そんな時にこういう本もあったらよかったのにと思った。

研修医への愛が溢れた名著。

 

2. クリニック人事労務読本

評価★★★☆☆3

医師は労働法を無視した働き方が基本なので、労務に関する知識は皆無である。

労働時間は1日8時間、週40時間までと決められている。こんな当たり前のことすらあまり意識していない異常さを実感した。

雇用契約書、就業規則などもよくわかっていない。

しかしクリニックを開業するならば、人事労務の知識は必須となる。

人事労務の一般的なことが書かれているだけの書籍だが、とても勉強になった。

 

3. 運命の恋をかなえるスタンダール

評価★★★☆☆3

夢をかなえるゾウで有名な水野敬也の女性向け恋愛本。

女性向けであっても、基本は「恋愛工学」に通じるところがある。

「グッピー理論」や「非モテコミット」と同様の理論が解説されている。

小説としても意外な伏線があって面白かった。

 

4. 嫌われる勇気

評価★★★☆☆3

アドラーの心理学を解説した本で、対話形式になっていて読みやすい。

アドラーの名前を聞いたことはなかったが、フロイトやユングと並ぶ有名な心理学者らしい。

しかし心理学というより宗教や哲学に近い。

実践できれば、俗世を捨て悟りを開いた仙人のようになれそうだ。

周りからの評価を気にせず、普通であることを受け入れる。競争は避けて自分は誰かの役に立っているはずだということを心の支えにして生きる。

自分はまだそこまで俗な欲望は捨てられなさそうだ。

 

5. ブランド人になれ

評価★★☆☆☆2

炎上マーケティングで有名な田端信太郎氏の本。

上記の「嫌われる勇気」とは真逆で、俗な欲望を全開にしろという主張。

有名になるには多少無茶なこともしないといけないということがわかる。

「Twitterのフォロワー1000人いかない人間は終わっている」とのことで、炎上しても過激な発言をしてくことが大切と述べられている。

ただ「美人は辛いよ」の炎上事件を見ると、常人には炎上マーケティングは難しいのではないだろうか。強靭な精神力が要求されるはずだ。

 

6. 彼方のアストラ

評価★★★☆☆3

評判のよいSFマンガ。

同じようなSFマンガで有名なのは「プラネテス」だが、こちらの方がエンターテイメント性が高い。

サバイバル要素やミステリー要素もあって、完成度は高いと思う。

犯人の予想はついてしまったが、「アストラ」の伏線は見事だった。

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