皮膚科の患者は湿疹と水虫(白癬)だけで50%を占める。
白癬と湿疹を鑑別できれば皮膚科の50%をカバーできるということなので、白癬はとても重要な疾患である。
白癬診療の教科書の決定版が常深祐一郎先生の「毎日診ている皮膚真菌症」。
▼前回の記事▼
褥瘡外用療法のキホン【皮膚科医のオススメ教科書⑥】
外用薬を使う状況は2つ。 湿疹などの炎症性皮膚疾患 潰瘍などの創傷 今回は潰瘍などの創傷治療についてのおすすめ教科書「外用薬の特性に基づいた褥瘡外用療法のキホン」を紹介する。 炎症...
「毎日診ている皮膚真菌症」の書評
この教科書では真菌検査の方法から、外用薬の選択法、患者指導まで網羅されている。
ここまで詳しい本は他にはない。
写真がたくさん掲載されていて見やすいのも特徴。
まず検査をする部位が写真で詳しく書かれている。
顕微鏡のコンデンサーの設定なども基本だけど大事。
真菌と見間違いやすい服の線維などまで解説されている本はなかなかない。
ありがちな副作用「接触皮膚炎」に対する対応ももちろん書いてある。
かぶれを起こす患者は結構多いので、その説明と対応が水虫治療で一番大事になる点である。
説明が不足しているとクレームの原因になる。
▼水虫治療についてはこちらの記事も▼
市販の水虫薬はやめよう OTCに侵食される皮膚科の未来
水虫(足白癬)の患者の半数は薬局で市販薬(OTC医薬品)を購入しているという。 病院を受診する人はわずか2割程度らしい。 (日本医師会雑誌. 146(3)517, 2017) OTC医薬品とは これまで医...
これを読んだらあとは実践あるのみ。
学生、研修医の指導用にも一冊もっておくと便利。
残念ながら絶版になってしまったが、電子書籍で購入が可能である。
つづく
診療所で診る皮膚疾患【皮膚科医のオススメ教科書⑧】
皮膚科医のおすすめ教科書を紹介するシリーズ第8回目。 今回紹介するのは皮膚科治療の教科書。 治療の教科書として一番初心者向けでわかりやすいと思うのが、中村健一先生の「診療所で診る皮膚疾患」である。 ...
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