今月の書評は4冊。
★★★★★5 年間ベスト級
★★★★☆4 読む価値あり
★★★☆☆3 読んでもムダじゃない
★★☆☆☆2 人を選ぶ本
★☆☆☆☆1 時間の無駄?
▼先月の書評はこちら▼
1.「失敗の本質」の書評
評価★★★★★5
前から読もうと思っていたんだけど、最近新型コロナ絡みで取り上げられていたのを見てようやく購入。
文庫本なのに論文レベルの重厚な内容。さすが名著として語り継がれているだけのことはある。
まず日本軍の6つの戦いの詳細が描かれ、これが短い戦記モノのようで面白い。その後のそれぞれの戦いの分析・解説も、色々な分野に応用が効きそうな具体的で有益な内容だった。
この本を読んでわかるのは、日本企業の失敗の構造は、日本軍とまったく同じだということ。
戦前も戦後も日本人の特性は変わっていないということだ。
ただ「日本もアメリカのような組織になるべき」という論調には同意しかねた。
もはやこれは日本人の個性として受け入れるしかないのではないか。そして全否定されている日本の組織にも、アメリカにはない長所があるんじゃないか。
まあそういった色々な考えが想起される点でも有益な本だった。
2.「ナリワイをつくる」の書評
評価★★★★☆4
現代日本人の働き方に疑問を投げかける内容。
今は、自分の時間を切り売りしてマネーと交換するという働き方が一般的。その分、生活を自給する力が失われてしまっているのだという。
筆者が勧めるのは、生活に必要なものを自分で作り、その技術を仕事にするという生き方である。
生活コストが下がり、収入も得られるので一石二鳥。
どこか浮世離れしているようにも思えるが、これからの不安定な時代に必要な考え方になる気がする。
自分のことを考えてみると、生活に必要なものを自給する能力も、仕事を作り出す能力も0点である。これからの生き方を考える上で参考になる本だった。
3.「超入門失敗の本質」の書評
評価★★★☆☆3
失敗の本質の解説本。
現代ビジネスに「失敗の本質」を応用したらどうなる・・という観点でまとめられていて読みやすい。ただその分内容は薄め。
悪い本ではないんだけど、原著を読んでその重厚さに圧倒された後だと、薄さが目についてしまう。
どうしたら日本人の問題を解決できるのかについても踏み込んでほしかった気がする。
4.「勝負論ウメハラの流儀」の書評
評価★★★☆☆3
世界チャンピオンのプロゲーマー梅原大吾氏の本。
彼の信念は「勝ち続ける」こと。これはゲームの勝敗の話ではなく、成長し続けるという意味なのだという。
自分の成長につながらない勝利には意味がないし、敗北しても自分の成長につながれば意味がある。
彼のストイックな哲学はあらゆる分野に通用するだろう。
ただ20代から30代前半までならこれでいいが、アラフォーからは成長一辺倒ではない幅みたいなものが必要になる気はする。
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