Youtubeで公開している「動画で学ぶ皮膚疾患」は、教科書にはあまり書かれていない診療のポイントを、約10分で解説する初心者向けの動画コンテンツです。
動画で使用しているスライドを解説付きで公開します。
今回は湿疹の診断と治療についてです。
湿疹の診断
湿疹の皮疹は表面がザラザラしています。
この理由は湿疹が外因性の皮疹だからです。
原因が体の外から皮膚に接触するため、皮疹の表面の変化が生じます。
一方薬疹の場合は体の中から原因がやってくるため、皮疹の表面の変化はなくツルツルしています。
ただし湿疹の診断のためには、いくつかの疾患の鑑別が必要です。
詳しい鑑別法は別の記事で解説してるので、興味のあるかたはご覧ください。
湿疹の治療
湿疹の治療の基本はステロイド外用です。
体や四肢はベリーストロング、顔はミディアムクラスを使用します。
重症の皮疹の場合は使用するステロイドを1ランク上げることがあります。
さらにステロイド外用で治らないとき場合にどうすればよいかを知っておく必要があります。
一つは診断が間違っている場合。もう一つは塗り方が間違っている場合です。
外用薬の使用率は内服薬と比べて低いことが知られています。
実際に外用薬を塗るのはとても面倒です。
つまりちゃんと塗っていない人が一定数いることに注意が必要なのです。
診療をしていると以下のような状況に出くわすことがあります。
・2日くらい塗ったけど治らない→塗る期間が短すぎる
・1週間塗って、まだ半分以上残っています→塗る量が少なすぎる
・ステロイドが怖くて塗れなかった→塗っていない
このような事態を防ぐために必要なのは外用指導です。
塗る期間と塗る量をしっかりと伝えることが重要です。
また再診予約を入れることで、塗るモチベーションが上がるようです。
さらに効果は全く同じでも薬の種類が変わることでモチベーションが上がり、皮疹が改善するというデータがあります。
とりあえず種類を変えてみるのも一つの方法です。
まとめ
今回は湿疹の診断と治療について解説しました。
湿疹の治療では外用指導が重要というのがポイントです。
次回は「蜂窩織炎」について
つづく
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