外来患者の引継ぎとチェスタトンのフェンス
チェスタトンのフェンスという言葉がある。 なぜフェンスが建てられたのかわかるまで、決してフェンスを撤去してはならない これは作家G・K・チェスタトンの随筆の有名な一説である。 一見、無意味に見えるフェンスでも、そこ...
「失敗の本質」から学ぶ③治療におけるプランBの必要性
太平洋戦争の日本軍を研究した本「失敗の本質」は医療にも応用できる名著である。 失敗の本質から医療を学ぶシリーズ第3弾。 今回はインパール作戦について。 ▼ミッドウェー海戦▼ ▼...
病名をつけることの意味
腹痛診療のバイブルとも言われる「ブラッシュアップ急性腹症」。 経験知が溢れた魅力的な教科書である。 この本の中に診断をつけることの問題点が書かれている。 問題とされている診断名は「胃腸炎」と「イレウ...
「THE FIRST SLAM DUNK」から学ぶ「言語化」で失われるもの
昨年大ヒットした映画版スラムダンク。 そのメイキング本を読んでいると興味深い記載があった。 作者の井上雄彦先生はこれまで、自分の作品について説明しないように心がけてきたそうだ。 しかし今回の映画製作...
感じの悪い店員とクレーマーの話
お店や役所に行くと、ぶっきら棒で感じの悪い従業員に出会うことは少なくない。 その理由について、はてなダイアリーに興味深い投稿があった。 「お店や役所に問い合わせ電話する時は、まず明るい声でおだやかに「お忙しいところ恐れ入...
皮膚科医が國松淳和先生から学んだこと
色々な面白い医学書を出版されている國松淳和先生。 今までいくつかの本を紹介してきたが、今回はそれらの記事をまとめたいと思う。 蹄の音を聞いてシマウマを考える方法 診療の現場では、「珍しい病気ではなくて、一般...
臨床診断と皮膚科医のヤブ医者化について
皮膚科診断は直観的になりがちである。 直観的になんとなく湿疹と診断して、とりあえずステロイド外用…という対応が多いのではないだろうか。 その理由は確定診断できる検査がなく、臨床症状のみで診断しなければならないからである。...
ブログの真髄は思考の言語化である
2017年の3月にブログを始めて今年で7年目に突入した。 ブログを書く一番のメリットは何なのか? 改めて考えてみると、それは「思考の言語化」にあると思う。 自分の考えを言語化して書き留めておくことのメリット...
私が管理職で学んだこと
前回は大学院、研究関連の記事をまとめた。 学位を取得した後は、管理職として総合病院に勤務することになった。 しかし多くの人(男性皮膚科医の34%、女性の54%)は管理職なんかやりたくない…と思っているそう...
治らないと言わないことは美徳なのか?
世の中には治らない病気は多い。 医師が治せる患者は少ない。病気の診断がつく患者も思うほど多くはない。 (看護のための精神医学) しかし我々の業界では、「治らない」と患者に言ってはならないとされている。 決して「治...
「ステロイドの虎」から学ぶプレドニンの使いかた
色々な面白い医学書を出版されている国松淳和先生。 今までいくつかの本を紹介してきた。 今回紹介するのは新作「ステロイドの虎」。 これまでとは違ってマニュアル色が強い教科書になっている。 ...
医療現場のコミュニケーションを学べる本5選
医療現場で働いていると、コミュニケーションの問題に遭遇することは多い。 しかしコミュニケーションというと「患者様の気持ちに寄り添う」といったキレイゴトばかりがクローズアップされがちである。 だが現実はそれでやっていけるほ...
原因は何ですか?と聞きたくなる原因
診療中に聞かれることが多い質問の一つに「原因は何ですか?」がある。 しかしこれを聞かれると困ってしまう。 ほとんどの皮膚疾患が原因不明だからである。 湿疹すらも原因がはっきりするのは稀。 最も多いのは...
いろいろな紅斑の呼び名をまとめてみる
紅斑には色々な呼び名がある。 多形紅斑、浮腫性紅斑、紅斑丘疹、蕁麻疹様紅斑など。 でもこれらがどう違うのかは詳しく習ったことがなく、適当に使っているのが実状である。 そこで今回は紅斑の呼び名について、皮疹の表現に一...
皮膚科のオススメWebサイト
管理人が使っている医学関連の役立つWebサイトを紹介します。 ①日本皮膚科学会 個人情報の変更をしたり、専門医の単位を登録したりと、何かとお世話になるサイト。 各種ガイドラインも掲載されています。 ま...
「わからない」と言えることの価値【医学書評】不明熱、不明炎症レジデントマニュアル
色々な面白い教科書を出版されている国松淳和先生。 今までいくつかの本を紹介してきた。 今回紹介するのは不明熱についての教科書。 この教科書から「わからない」ことの価値について考えてみ...
イキリ研修医と後医は名医の話
ときどき「イキリ研修医」、「イキリ若手医師」という言葉を聞く。 しかし仕事にある程度慣れてきたころ、過度に調子にのってしまうのは誰しも身に覚えがあるだろう。 これはダニング=クルーガー効果と呼ばれていて、医療現場に限った...
皮膚科医の抗ヒスタミン薬の使い方(後編)
前回のつづき 抗ヒスタミン薬にはたくさんの種類がある。 蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬についての記事はいままでいくつか書いてきたが、今回決定版を作成したいと思う。 使い分けのポイントは2つ。 ...
皮膚科医の抗ヒスタミン薬の使い方(前編)
抗ヒスタミン薬にはたくさんの種類がある。 蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬についての記事はいままでいくつか書いてきたが、今回決定版を作成したいと思う。 使い分けのポイントは2つ。 効果 副作用 ...
皮膚科医の抗真菌薬の使い方(開発史・設計思想)
皮膚科では外用抗真菌薬を頻繁に使用する。 しかしたくさんの種類があって、どのように使い分けたらいいかわかりにくい。 そこで今回、外用抗真菌薬のランク表を作成してみた。 この表の詳細について解説してい...