Tips21「合成吸収糸の比較」

【張力維持期間(吸収までの期間)】

  • バイクリルラピッド:5日(42日)
  • モノクリル:1週間(90-120日)
  • バイクリル:3週間(56-70日)
  • PDS:6週間(180-240日)

 

真皮縫合では張力を長く保てるPDSが望ましい

「研修医のための見える・わかる外科手術」より

 

手術の時に使用する吸収糸にはいろいろな種類があります。

しかしそれぞれの特徴について解説してある教科書は少ないため、まとめてみました。

消化管などの治癒の早い臓器の縫合では短期間だけ張力を維持できればよいので、モノクリルラピッドやモノクリルが使用されます。

真皮縫合では張力を長く維持する必要があるためPDSが使用されています。

 

Tips22「熱傷で推奨される冷却時間」

【熱傷で推奨される冷却時間(流水)】

 

「熱傷は冷やす」というのは誰でも知っていますが、どれくらいの時間冷やしたらよいのかは実はわかっていないようです。

日本の学会では30分程度が勧められていますが、Up to dateでは創部の浸軟を避けるため5分以上冷やしてはいけないとされています。

Up to dateでは代わりに濡れタオルで30分冷やすことが推奨されていて、この方法はよさそうです。

「Alternatively, the wound may be covered with wet gauze or towels, which can decrease pain without immersing the wound and may be kept on the wound for as long as 30 minutes.」

 

Tips23「熱傷の水疱をどうするか?」

【熱傷治癒までの期間】

  • 水疱膜と水疱液を温存→26.6日
  • 水疱液を穿刺排出し水疱膜は温存→20.5日

 

水疱膜は極力温存し水疱液は除去するのがよい

熱傷 28(2): 18, 2002

 

熱傷の水疱をどう扱うかは意見が分かれていますが、はっきりした結論はないようです。

水疱内容液は穿刺し除去した方がよいという報告を紹介しました。

内容液中のサイトカインが創傷治癒を阻害する可能性があるそうです。

確かに内容液を温存しているとゼリー状に固まってしまい、治癒を遅延させているような印象があります。

一方水疱蓋は、この文献では温存した方がよいとされています。

 

Tips24「熱傷の説明の注意」

熱傷の正確な深度判定には数日から一週間程度要する場合がある。

受傷初日に治癒の見込みを説明すると、後でトラブルを起こす危険性がある。

「まるわかり創傷治療のキホン」より

 

熱傷で一番注意が必要なのは、初診時の説明だと思います。

受傷直後に深度を正確に診断するのは難しいため、初日にはあまり見込みは話さず、深度がある程度明らかになってから説明するのがよさそうです。

 

Tips25「熱傷の手術時期」

壊死組織が分界され範囲がはっきりするのは受傷後10日~2週間。

  • 早期手術:受傷2週間前にデブリ
  • 晩期手術:受傷2週間以降に壊死範囲がはっきりしてからデブリ

 

30%以上の広範囲熱傷では早期手術が望ましい。

MB derma 146: 42, 2008

 

熱傷の治療の原則についてあまり習うことがない気がします。

壊死範囲がはっきりする2週間が基準になります。

局所熱傷であれば「晩期手術」を念頭にまず保存的加療を行うという方針は、初心者にはわかりやすいと思います。

2週間程度で壊死範囲がはっきりした段階で、手術が必要かどうかを判断します。

一方重症熱傷では壊死範囲がはっきりする前に緊急で手術を行う必要があります。

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