Tips21「熱傷で推奨される冷却時間」

【熱傷で推奨される冷却時間(流水)】

 

「熱傷は冷やす」というのは誰でも知っていますが、どれくらいの時間冷やしたらよいのかは実はわかっていないようです。

日本の学会では30分程度が勧められていますが、Up to dateでは創部の浸軟を避けるため5分以上冷やしてはいけないとされています。

Up to dateでは代わりに濡れタオルで30分冷やすことが推奨されていて、この方法はよさそうです。

「Alternatively, the wound may be covered with wet gauze or towels, which can decrease pain without immersing the wound and may be kept on the wound for as long as 30 minutes.」

 

Tips22「熱傷の水疱をどうするか?」

【熱傷治癒までの期間】

  • 水疱膜と水疱液を温存→26.6日
  • 水疱液を穿刺排出し水疱膜は温存→20.5日

 

水疱膜は極力温存し水疱液は除去するのがよい

熱傷 28(2): 18, 2002

 

熱傷の水疱をどう扱うかは意見が分かれていますが、はっきりした結論はないようです。

水疱内容液は穿刺し除去した方がよいという報告を紹介しました。

内容液中のサイトカインが創傷治癒を阻害する可能性があるそうです。

確かに内容液を温存しているとゼリー状に固まってしまい、治癒を遅延させているような印象があります。

一方水疱蓋は、この文献では温存した方がよいとされています。

 

Tips23「熱傷の説明の注意」

熱傷の正確な深度判定には数日から一週間程度要する場合がある。

受傷初日に治癒の見込みを説明すると、後でトラブルを起こす危険性がある。

「まるわかり創傷治療のキホン」より

 

熱傷で一番注意が必要なのは、初診時の説明だと思います。

受傷直後に深度を正確に診断するのは難しいため、初日にはあまり見込みは話さず、深度がある程度明らかになってから説明するのがよさそうです。

 

Tips24「熱傷の手術時期」

壊死組織が分界され範囲がはっきりするのは受傷後10日~2週間。

  • 早期手術:受傷2週間前にデブリ
  • 晩期手術:受傷2週間以降に壊死範囲がはっきりしてからデブリ

 

30%以上の広範囲熱傷では早期手術が望ましい。

MB derma 146: 42, 2008

 

熱傷の治療の原則についてあまり習うことがない気がします。

壊死範囲がはっきりする2週間が基準になります。

局所熱傷であれば「晩期手術」を念頭にまず保存的加療を行うという方針は、初心者にはわかりやすいと思います。

2週間程度で壊死範囲がはっきりした段階で、手術が必要かどうかを判断します。

一方重症熱傷では壊死範囲がはっきりする前に緊急で手術を行う必要があります。

 

Tips25「軟部腫瘍生検の注意」

【軟部腫瘍生検の注意】

  • 不適切な生検で3%の患者が患肢切断
  • 画像診断なしに切除を行うことは慎む
  • なるべく針生検
  • 切開生検は四肢長軸に沿って皮切
  • 縫合針はなるべく幅を狭く掛ける
  • 腫瘍を貫いてはいけない

「軟部腫瘍診療ガイドライン」より

 

皮膚科では軟部腫瘍の取り扱い方について詳しく習うことは少ないですが、厳密なルールがあります。

皮切の方向や縫合針の掛け方まで意識する必要があります。

安易に切除することは慎まなければなりません。

詳細はこちら>>軟部腫瘍の考え方「しこりをみたらどう考える?」

皮膚科の豆知識100