どういうキャリアを形成するかを考える場合、「臨床か研究」とか「勤務医か開業医か」という2択になる場合が多い。
しかし現役時代にどう過ごすかに気を取られすぎて、「リタイア後に豊かに暮らす」という観点が欠けていてはいけないと思う。
リタイア後まで視野に入れたキャリアの考え方はあまりない気がする。
最近読んだ本「開業医のための資産形成術」。
コンサル会社の宣伝本なので鵜呑みにはできないけど、引退後も視野に入れたキャリアが提示されていて結構面白かった。
裕福になるための3リッチ
この本によるとリタイア後に豊かに暮らすためには、「3リッチ」というゴールを設定するとよいという。
3リッチとは
①マネーリッチ(経済)
②タイムリッチ(時間)
③マインドリッチ(精神)
このゴールから逆算して、広い視野でキャリアデザインを考える必要がある。
目指すべきは目先の研究や肩書ではない。
具体的に考えると
①十分な貯蓄、不労収入
②多忙な日々から開放されて十分な時間がある
③仕事での社会貢献、自己実現
といったところか。
十分な資産を持った上で、ゆとりをもって「社会貢献」や「やりがい」のために仕事をするというのが「3リッチ」を満たす生き方の一つ。
ずっとお金に苦労して働き続けているような人もいるが、それは豊かな人生とは言えない。
となるとお金のために働かなくてよい「いつでも好きな時にリタイアできる環境」をつくるための資産形成がキャリアの目的になる。
必要となってくるのが「いつまで働くのか?」という考え方ではなく、「あと何年あれば、リタイア後の生活に必要な資産が形成できるのか?」ということです。
今後の収入や支出をシミュレーションして、いつでも医院経営を辞められる環境作りを準備していくのがファイナンシャルゴールです。
お金のためではなく、本当に「社会貢献」や「やりがい」のために仕事ができる。
「生活のための仕事からの解放」を目標にしてキャリアをデザインしていくということ。
これは橘玲氏の提唱する経済的独立と同じ考え方である。
経済的独立を目指すことが大事
経済的独立
- 働かなくても生きていける立場になること
- 国家にも、会社にも、家族にも依存せず、自由に生きるのに十分な資産を持つこと
橘玲氏によると幸福とは「好きなように生きること、イヤなことを断れること」。
会社に依存し、クビになったら生活できないと思っているから、パワハラやセクハラにもひたすら耐えなくてはならないのだという。
幸福とは自由のことであり、そのためには経済的に独立していなければならない
(専業主婦は2億円損をする)
経済的な独立は精神的な余裕にもつながり、仕事のパフォーマンスを上げることにもつながる。それが患者のためにもなるはずだ。
経済的自立というのが、精神の自由の前提条件になっている。
「言うべきことは言う、やるべきことはやる、だめならやめる」という余裕がサラリーマンとしての仕事にも好影響を及ぼしている。
MBA流キャバクラ経営術
具体的なキャリアプランは?
開業を考える場合、借入金の返済期間が20年くらいとすると、「いつでも好きな時にリタイアできる環境」はその後である。
逆算すると開業は40歳くらいにはしないといけないだろう。
資産形成を考えると、開業は必ずしもベストな選択肢ではないかもしれない。
リタイア後という観点でキャリアをみると新しい発見がある。
つづく
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