耳をすませば(耳すま)好きの女性は多いように感じる。
一方で男性からは過剰な反応がある。
- 腹立つ
- リア充死ね
- 死にたくなる
今回のジブリレビューは「耳をすませば」。
▼前回の記事▼
耳すま症候群とは
男性には「耳すま症候群」という疾患の罹患者が多いそうだ。
耳すま症候群とは…
爽やかで明るい青春の描写を見て、暗い青春を過ごした人がもうやり直せない時を思い、それと自らの過ごした青春とを比較することにより憂鬱になる様を表したインターネットスラング。
分かるなー。自分も昔は拒絶反応が出ていた。
男子中学生の青春っていうのはもっとドロドロしてるんだよっ!!
でも最近は「若いなあ」と温かい気持ちで見守ることができるようになったので、症状は改善傾向のようだ。
年をとったからかな。
耳をすませばの魅力
解説本ジブリの教科書を読むと、この映画の価値は「中学生の純愛を40~50のオヤジたちが斜に構えずに真正面から描いた」ことにあるのだと感じた。
凝った恋愛作品が多い中、こんなにストレートな作品は逆に珍しい。
最後の告白「結婚してくれ」には背中がむず痒くなるが、近藤喜文監督のインタビューによると、これにも意図があるようだ。
最近の若者は付き合い方が浅く、感動を言葉にできない子が多い。
それに対するメッセージとして、あえてストレートに気持ちを伝える場面を入れたそうだ。
最近の若い人たちは付き合い方が深くないとかよく言われますよね。
感動しない子や、感動を言葉にできない子も多いという話も聞いていましたので、そのあたりに対する意識もありました。
あえてこういうストレートに気持ちを伝える場面を入れてみたんです。
こうした作品のねらいは、若手制作の「海がきこえる」に対抗した宮崎駿が設定したらしい。
▼宮崎駿が嫉妬した「海がきこえる」について▼
天沢聖司という男
しかし男性から批判されることが多いのは天沢聖司の存在であろう。
等身大のヒロイン雫に対して聖司君は完璧人間。白馬の王子様である。
イケメンなのに努力家の聖司君に触発されて、雫は前向きに自分の夢へと歩き出す。
女の子は雫に感情移入できるのかもしれないが、男の子は聖司君には感情移入できないだろう。
むしろ野球部の杉村君に感情移入してしまう。
聖司君に敗北し物語の都合で別の女子とカップリングされてしまう切なさ…。
▼勝ち目がなく暗い表情の杉村君。切ない。▼
まあ良くも悪くも反響の大きい映画だが、それは優れた作品の証明なのだとも思う。
「好きの反対は嫌いではなくて無関心」と言うし。
つづく
次回は「耳をすませば」に影響を与えた若手制作の「海がきこえる」。
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