「働きマン」というマンガがある。
菅野美穂主演でドラマにもなった作品である。
一見、昭和的なモーレツ社員を賛美しているようで批判も多いらしい。
(働きマン1巻より)
しかしこのマンガは、がむしゃらに働くことを美化しているわけではない。
ただ、がむしゃらに働くだけが、働きマンではないんだと最近思っています
(働きマン4巻より)
様々な仕事の価値観をもつ人間が登場し、仕事が嫌になったときに読むと元気がでる作品である。
今回は「働きマン」を紹介する。
働きマンのあらすじ
週刊『JIDAI』の女性編集者、松方弘子29歳。
弘子や彼女に関わる人々を通して「仕事とは」、「働くとは」をテーマに描いた漫画。
出版社に勤務する主人公の松方弘子は器用で仕事ができる人間である。
だからこそ仕事で承認欲求を満たすことができ、モーレツに働くことができる。
(働きマン1巻より)
しかし自分は弘子に感情移入することはできない。
仕事で評価されず割り切って生きていくしかない。そんな登場人物たちの姿こそがこのマンガの本当の魅力である。
登場キャラクター
山城新二
大手ゼネコン勤務で弘子の恋人。
建築現場の現場監督をしているが、職人との間で何かと苦労する。
(働きマン1巻より)
一生懸命やっているのに評価されない。
方や恋人の弘子は仕事で評価され、仕事に没頭している。
そのギャップに苦しむ姿は他人事とは思えない。
田中邦夫
新人編集者で弘子の後輩。
仕事は適度にがモットー。仕事よりプライベートが大事。
しかしそれを態度に出してしまう不器用さから、周囲をイラつかせている。
(働きマン1巻より)
もっと器用に立ち回れば、荒波を立てずに適度な仕事ライフを満喫できるはず。
上司から嫌われがちな自分は、彼の不器用な姿に共感してしまうのだった。
千葉真
書籍部の営業担当で弘子の同期。
彼も田中と同様に適度な仕事をモットーにしているが、状況は異なる。
かつては彼にも情熱をもって仕事をしていた時期があった。
ところがその情熱が評価されず傷ついた経験から、あえて仕事に思い入れないようにセーブしている。
「思い入れるな、頑張るな、結局それが一番いい方法」
(働きマン2巻より)
そんな姿は他人事とは思えない。
仕事に傾けた情熱が正当に評価されれば、弘子のように仕事を生きがいにできるだろう
しかし必ずしも努力が評価されるというわけではなく、ニヒルに生きるしかない自分がいる。
菅原文哉
張り込み専門、通称「張り班」。
人のスクープを嗅ぎまわるという嫌がられる仕事。そんな仕事にどう向き合うのか。
(働きマン1巻より)
結果を出せば尊敬され、自己肯定感が満たされる仕事ばかりではない。
彼には弘子に対するアンチテーゼが含まれている。
片桐隆二
事件班のデスク。
元々ベストセラーを連発する名編集者だったが、管理職となり苦しんでいる。
部下は言うことを聞かず、そんな部下の責任だけは取らされる。
(働きマン4巻より)
そんな中でモチベーションを失い、無気力となっていく姿は他人事とは思えない。
(働きマン4巻より)
成田君男
週刊『JIDAI』のデスクで弘子の上司。39歳独身。
片桐とは違って要領が良く、大人の余裕がある人。
(働きマン1巻より)
自分は片桐側の人間なので、こういう仕事ぶりに憧れをもっている。
しかしなかなかうまくいかないものである。
まとめ
今回は「働きマン」のキャラクターたちを紹介した。
このマンガには「仕事で出会う色々な苦労とか悩み」が凝縮されてるような気がする。
仕事が嫌になったときに、仕事について考えるきっかけになる作品である。
同じ作者の「ハッピーマニア」も興味深い作品。
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