初心者のための資産形成第6回。今回はマイホームについて。
▼前回は投資信託について▼
地方は高齢化が進んでいて、入院患者も高齢者が非常に多い。
うちの病院の皮膚科も入院患者の平均年齢は80歳くらい。
そこで困るのが自宅(持ち家)に一人暮らしのパターン。
退院の話が出ると、別居の家族から「家に帰すのは心配なので施設を探してほしい」なんて言われたりする。
本人も周りの家族も、家を持て余してしまっていることが多いようだ。
そういうのを見ていると、マイホーム購入はどうなんだろうと思う。
高齢化と空き家問題
こうして空き家が増えることは社会問題になってきているようだ。
郊外住宅地では、買い手がつかない家も出始めているという。
買い手がつかなければ「不動産」は維持管理費だけがかかる「負動産」になってしまう。
郊外住宅地では家を貸す先もなければ売却しても思ったような価格では売れません。
それどころか、まったく買い手の付かないところまで出はじめています。
住宅ローンの返済に耐えてやっと手に入ったマイホームが、ただその土地を維持管理するだけで毎年100万円もの負担を強いられる「負動産」になる可能性だってあるのです。
マイホームがお荷物になってしまうということらしい。
「負動産」を残して施設に入り家族に迷惑をかけるくらいだったら、賃貸で暮らすという選択肢もありな気がする。
ある程度の年になった高齢者向け住宅とかに入居すれば良いし。
マイホームと資産形成について
さらに住宅費用は人生の出費の中でも一番大きなウエイトを占めており、資産形成の側面からも重要である。
人生の5大支出
住宅費用 4000万
自動車費用 3300万
老後費用 3200万
保険費用 2600万
教育費用 2500万
「家賃を払うのはもったいないから家は買ったほうが得」と言われたりして、ローンでマイホームを購入するのは一般的なライフプランである。
しかし橘玲氏の著書によると賃貸と持ち家に優劣はないとある。
賃貸と持ち家に優劣はない。
マイホームの購入というのは不動産投資以外のなにものでもない。投資である以上、地価が上昇すれば得をするし、下落すれば損をする。
持ち家が賃貸を上回ることもあれば下回ることもあるということ。
家はただ所有さえしていれば資産になるというのは幻想である。
マイホームを買って一人前?
そもそもなぜ皆が家を買うのか。
「家を買うのが当たり前」という価値観があるからである。
しかしコンピューター研究者の落合陽一氏によると、この価値観はごく最近作られたものなのだという。
数十年にわたり家計の自由を奪う。
戦後日本が経済成長するために作られたシステムの一つが「住宅ローン」である。
高度経済成長の正体とは、国民に均一な教育を与えた上で、住宅ローンによりお金の自由を奪い、マスメディアによる世論操作を行い需要を喚起していくという戦略です。
賛否両論ありそうだが、住宅ローンにはこのような側面があることも理解しておいたほうがよいだろう。
家を買うのはアタリマエではない。
それでは持ち家と賃貸はどちらが得なのか。
この議論は常に行われているようだが、資産形成のために家は買った方が得なのかもう少し考えてみる。
つづく
▼資産形成のために読んだ本▼
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