イボ(尋常性疣贅)は外来患者の中でもそれなりの割合をしめているので重要である。
しかし根本的な治療法がないことが問題になる。
治らないイボは何をやっても治らない。しかし色々な手を使って何とか治療したい。
そういうときに役に立つのが、イボ博士江川清文先生の「疣贅のみかた治療のしかた」である。
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「疣贅のみかた治療のしかた」の書評
2005年に「カラーアトラス疣贅治療考」というのが出版されていて、これまではそちらが決定版だった。
しかし2017年にさらにパワーアップした「疣贅のみかた治療のしかた」が出版された。
「カラーアトラス疣贅治療考」もかなり詳細な教科書だったが、2つを比べてみると「疣贅のみかた治療のしかた」の方が写真がきれいでレイアウトもよくなっている。
(前著で記載されていた「みずいぼ」については今回書かれていないことだけが欠点。)
イボだけで300ページ以上の大著である。様々な治療法が具体的に写真で解説されているので分かりやすい。
決定的な治療法がない中で、いろいろな治療法をためしてみるというのが基本的な方針になるので役に立つ教科書である。
数種の治療方法で、適宜変更しながら治療することが現在では最も良い方法である。
(日本皮膚科学会雑誌95(9)p985 1985)
少しでも治らないとすぐに病院に紹介される開業医の先生もいる。
良い紹介と悪い紹介から、紹介状の書き方を考える
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病院でも特に変わった治療法があるわけではないが、紹介されても悩まないように読んでおく必要があると思う。
つづく
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