最近、皮膚科治療薬の本をまとめて読む機会があった。
せっかくなので今回はそれらをまとめてみる。
①皮膚外用薬の選び方と使い方 改訂第5版
1989年発売の定番の教科書。
シンプルでお堅い印象の本だが、Q&A形式になっているのでそこまで読みにくくはない。
皮膚科医として必要十分な知識がまとめられているので、一通りは読んでおきたいところ。
ただ皮膚科医以外にとっては情報過多かも。
②ここがツボ! 患者に伝える皮膚外用薬の使い方(第3版)
薬剤師向けの本。
具体的な処方例を見ながら、それぞれの外用薬について解説する構成になっている。
コンパクトにまとまっていて通読しやすい。
情報量は多くはないが、実際の処方のしかたがわかるので、初学者にオススメできる。
③みんなの皮膚外用薬
ポップなカバーが特徴の教科書。
2部構成で1部は外用薬の説明、2部は疾患ごとの治療法のまとめ。
しかし分担執筆の2部は、普通のマニュアル本にも記載されている一般的な内容。
なので外用薬について書かれているのは実質半分以下。
まあ一般的な知識をざっくりと知るにはいいのかもしれない。
④ジェネラリストのためのこれだけは押さえておきたい皮膚外用療法
「みんなの皮膚外用薬」と似たような2部構成。
ただこちらは単著なので、オススメ外用薬10選など独自の視点が入っている。
そのため内容としては③よりもこちらのほうが濃くてオススメできる。
しかし構成が外用薬の種類別になっていないため、体系的に学ぶのには不適。
初学者の最初の1冊としてはやや勧めにくい。
一般的な知識だけが知りたければ③のほうがよいか。
⑤スキルアップのための皮膚外用剤Q&A改訂2版
薬剤師向けの本だが、かなりマニアックな情報がまとめられている。
外用薬の組織内移行率、血漿中濃度の変化など、他の教科書にはないような詳細なデータが盛りだくさん。
初学者向けの本ではないが、皮膚科医なら読んで損はない。
まとめ
今回は皮膚科治療薬の本をまとめた。
他科の分野では優れた治療薬の教科書がたくさんあるが、皮膚科に関してはこれというものがないのが実状ではある。
感染症ではやはり岩田先生の本。
循環器のこの本はかなり好き。
皮膚科の分野でもこのような優れた書籍が出てきて欲しいところである。
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