日本医事新報で連載中の四コマ漫画「がんばれ!猫山先生」。
内科医・猫山先生をはじめとしたコミカルなキャラクター達が織りなす、ほのぼの医療漫画
……ではなく実際はかなりシュールでブラックな医療漫画である。
このマンガはつぶクリの実態を知ることができると評判である。
つぶクリとは⇒つぶれそうなクリニック
ウハクリとは⇒ウハウハ儲かってるクリニック
今回はクリニック開業を考える勤務医である自分が、「がんばれ!猫山先生」から開業にまつわるエピソードを紹介する。
開業コンサルタントに注意
猫山先生は開業コンサルタントの猪木氏に騙されて(?)開業を決意する。
「個人的に付き合ったこともないのに、いきなり「人柄」をほめる猪木氏であった」66話
クリニック開業は金のなる木。銀行、リース会社、大家、卸問屋など色々な業者が医者の懐を狙っている。さらに裏で猪木氏とつながっていた業者たち…。
コンサルタントには要注意である。
「医者とは顧客であると同時に商品なのであった」239話
つぶクリの実態:開業医は楽…ではない
勤務医生活に疲れ果ててクリニックを開業する医師は多い。
しかし猫山先生のクリニックは自己資金なしの落下傘開業。初期投資が大きすぎたため赤字が続く。
「これから死ぬまで勤務医時代以上に働かないと、借金も返せないってことですか。勤務医生活に疲れ果てて開業したのに、おさき真っ暗じゃないですか」288話
▼クリニックの収益構造について▼
開業した産婦人科の奈良野先生だったが、待っていたのは厳しい現実。
多額の借金を背負って開業した医師に「勤務医に戻る」という退路はない。
「勤務医の頃はこう思ってました。「開業してから勤務医に戻る医者は少ない…それはきっと開業医が楽だからって」でも、今になってわかります。それは身動きが取れないだけだったんだって」322話
開業医は責任も重い。
「勤務医の時には、患者さんが不満を言うのを小耳にはさんでも、ぼく関係ないもんと思っていた。しかし開業後はすべて自分が責められていると感じるものである」310話
ウハクリの実態:患者が多すぎるのも問題
患者が多ければそれも問題である。患者が多すぎて疲弊する鮫島先生。
クリニック開業は自分の時間を切り売りするビジネスモデルであり限界がある。
「医者は常に来院患者数に頭を悩ませている。ひとつは患者数が少なすぎる場合。そしてもうひとつは多すぎるときである」240話
過労で倒れた鮫島先生だが、開業医は忙しくても誰も同情してくれない。
「過労死した勤務医は世間から同情されるものだ。しかし開業医には「自業自得だな」この反応である」525話
クリニック職員のトラブル
開業コンサルタント猪木氏は予言する。
「経営者にとって本当に大変なのは、職員を雇う時よりも、辞めさせる時なのですよ」202話
猪木氏の予想通り看護師に支配される猫山クリニック。331話
しかし職員がいなくてはクリニックの運営は成り立たない。経営者よりも職員の方がエラいのだ。
「「もう来なくていいよ!」困った職員にはこう思うことがある、しかし本当に来なくなると…もっと困るのだ」371話
まとめ
クリニック開業に未来はないのかもしれない。よっぽど商才がないと。
でも大学に残って出世するのも難しいし、どうしたものか。
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