9月の書評は5冊。
★★★★★5 年間ベスト級
★★★★☆4 読む価値あり
★★★☆☆3 読んでもムダじゃない
★★☆☆☆2 人を選ぶ本
★☆☆☆☆1 時間の無駄?
▼8月の書評▼
1. 転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
評価★★★★☆4
転職について書かれた本は多い。また副業について書かれた本も多い。そしてSNSを使った自己ブランディングについて書かれた本も多い。
でもそれらをひとまとめにして、一つのキャリアデザインを描いた本はあまりなかったと思う。
なかなか面白い本だったのでレビュー記事を別に書いた。
2. 共感SNS
評価★★★★☆4
ゆうこすの名前はよく耳にするが、あまり注目していなかった。
しかしこの本を読んで、甘くみていたことを反省した。
SNSを利用したセルフプロデュースは、これからのビジネスの最先端である。
彼女は一見カワイさをアピールしているだけのようだが、実は新しいアイデアで勝負する一流起業家としての側面を多分に持っている。
さらに今後プロデューサー側に回るというビジョンまであるようだ。
自分もブランディングの勉強のためにSNSをやっているつもりなので、彼女の戦略は参考になった。
3. 緘黙
評価★★★★☆4
個人的に大ファンの精神科医・春日武彦先生の小説。
文学作品のような文章力には驚いた。
ストーリーは、3人の精神科が15年間喋らない男性・新実克己の治療を行うというもの。
精神科医の複雑な心理が、治療を通じて詳細に描かれておりとても面白い。
また途中で挟まれる小話の中で紹介される細かい診療テクニックも非常に興味深い。
中盤までは年間ベスト★5かと思ったが、残念ながら終盤に失速・・。
肝心の新実克己のキャラクターがひどく陳腐で、せっかく今まで積み上げた世界観が台無しになってしまった気がする。
ということで★4。
4. 泣くな研修医
評価★★★☆☆3
研修医が主人公の小説。
「ブラックジャックによろしく」ほどの毒はなく軽く読めるが、あまりドラマチックな展開はなく平板なストーリーである。
しかし現役外科医が書いているだけあって、ディテールはとてもリアリティがある。
外科カンファの緊張感、性格のキツイ女医、当直で食べるココ壱。
研修医のときのブラック労働を思い出した。
5. イダジョ 医大女子
評価★★☆☆☆2
女子医大生が主人公の小説ということで、医者が書いたのかと思ったら違っていた。
そのためディテールは甘い。
医大生の実情を描きたいのか、それとも恋愛を描きたいのか、どちらも中途半端になってしまっている気がする。
主人公が「クラスメイトの男子からエリート心臓外科医に乗り換える」というのも現実味がない。エリート外科医は医学生相手に本気にはならないでしょ。
とはいえ学生時代のことを色々と思い出すきっかけにはなった。2年生の解剖実習とか試験とかは大変だったな。
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