11月の書評は10冊+マンガ1つ。
★★★★★5 年間ベスト級
★★★★☆4 読む価値あり
★★★☆☆3 読んでもムダじゃない
★★☆☆☆2 人を選ぶ本
★☆☆☆☆1 時間の無駄?
▼10月の書評はこちら▼
1. 朝日嫌い
評価★★★★☆4
恥ずかしながら、今まで政治思想がよくわかっていなかったので勉強になった。
日本の安倍一強体制、アメリカのトランプ支持などの構造がわかりやすく解説されており興味深い。
現在知識社会が高度化し、世界では人材獲得競争が進み、グローバル化・リベラル化してきている。
その分ふるい落とされる人が増え、反動として保守勢力が台頭してきているのだという。
その人達が唯一の頼りにするのが民族ナショナリズム。
非常に納得のいくロジックである。
「保守化するリベラル」など、リベラルと保守の定義については言葉遊びのような部分もあるが、知的好奇心が刺激される面白い内容だった。
2. 完全教祖マニュアル
評価★★★★☆4
胡散臭いタイトルで、新興宗教のマインドコントロールの手法を解説した本かと思ったら、本格的な内容の本だった。
キリスト教、イスラム教、仏教などの既存の宗教を分析し、宗教そのものについて考察している。
全体的におちゃらけているが、食事制限や断食が存在する理由、日曜礼拝の効果など、宗教のシステムについてわかりやすく解説されていて面白い。
内容が豊富すぎて完全に消化しきれていないが、マネージメントにも応用が効きそうな本だった。
3. 会社にお金が残らない本当の理由
評価★★★☆☆3
中小企業向けの経営指南書。
独自の視点で経営に重要な指標を解説しているが、役員報酬の設定のしかたなど、主に法人向けの内容だった。
かなり実践的で、ある程度の会計の知識があることが前提になっている。
理解できない部分もあるが、将来読み返したときに新たな発見がありそうだ。
4. 若手院長です 開業のこと何でも質問してください
評価★★★☆☆3
若手開業医5人によるクリニック開業本。
分担執筆ではなく、テーマごとにそれぞれの先生方の意見がまとめられているので、かなり実践的な内容になっている。
コンサル会社の宣伝本ではない点も好印象。
体系的な内容ではないが、クリニック開業をイメージするにはよい本だと思う。
5. noteではじめる新しいアウトプットの教室
評価★★★☆☆3
最近noteを始めたので本も読んでみた。
単なる解説書ではなくて、ブログを続けていくためのコツみたいなものも書かれているのが特徴。
noteの目玉は記事を有料にして売れることだと思っていたが、クリエーターを応援する場を作るという理念があるらしい。
そのために細かくサイトデザインされていることがわかり面白かった。
ただnoteのことを「記事が書きやすい」と褒めちぎってあるが、別に書きやすくはない。改行もしにくいし。
純粋に記事を書いていくにはブログのほうが良い。
6. クリニック広報戦略の教科書
評価★★☆☆☆2
クリニックのホームページの作りかたを解説した本。
ところどころ参考になることも書いてあるが、基本的に誰を対象に書いているのかよくわからない。
ネット初心者にとっては、ワードプレスの設定などの基本的な情報がまったくないので役に立たないだろう。
一方ネットの知識がある人にとっては、「スマホ対応が重要」などほとんど役に立たない情報ばかりである。もっと上級のSEOテクニックが知りたいところだろう。
中途半端な情報ばかりだという印象を持った。
7. 誰も触れない 不動産投資の不都合な真実
評価なし
不動産投資で気をつけるべきポイントを説明したコンパクトな新書。
金融機関や管理会社の内情が分かれば、どんなところで騙されやすいかが分かる。
「管理会社は広告料アップの提案をしがち」など。
8. 不動産投資の正体
評価なし
内容はけっこう高度。
不動産投資は投入できる自己資金と欲しいキャッシュフロー次第で買うべき物件が変わるということがわかった。
キャッシュフローが500万欲しい場合、自己資金が7000万あれば利回り10%で7000万の物件を買えばいい。
一方自己資金を投入しない場合はローンの返済分があるため、利回り10%の3億5千万の物件が必要になる。
不動産投資では計算力が重要になるようだ。
9. まずはアパート一棟、買いなさい!
評価なし
不動産投資にはいくつかの流派があるらしい。
その一つが「高利回りアパート」。
自己資金300万で1500万程度のアパートを購入する。
融資があまり受けられないため、そこまで大きな額の投資にならないのがポイント。
具体的なシミュレーションもされていて、これならできるかもと思わせられる。
10. 1年目から成功する不動産投資 村田式ロケット戦略のすべて
評価なし
こちらは「RCマンション」の流派。
長期の融資を受けやすいRCに的を絞って、利回りではなくキャッシュフローに重点を置いた投資法。
自己資金600万で1億程度のマンションを購入する。
どちらも一長一短のようだが、投資額が大きくなってしまうのが不安ではある。
11. 正直不動産
評価★★★☆☆3
話題の不動産マンガ。
情報量が多くて読みにくいマンガだが、不動産会社の利益構造がよくわかる。
例えば賃貸の場合、借り主と家主からの手数料が会社の収入となる。
自社物件であれば両方から手数料が入るが、他社物件であれば借り主からの手数料しか入らない。
そのため不動産会社は自社物件を借りさせたいという思いがある。
不動産投資だけでなく、マンションを借りるときの参考にもなりそうなマンガだった。
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