以前ギャンブル漫画「嘘喰い」を紹介した。
しかしギャンブル漫画と言えば「カイジ」を外すわけにはいかないだろう。
自分の人生観を変えたマンガと言っても過言ではない(最近はただのギャグマンガと割り切って読んでいるが)。
今回はカイジやその他の福本作品の中から、ギャンブルベスト3を選んでみた。
福本伸行作品一覧
- 天(1989年~2002年)
- アカギ(1992年~2018年)
- 銀と金(1992年~1996年)
- カイジシリーズ(1996年~)
- 無頼伝 涯(2000年~2001年)
- 最強伝説黒沢(2003年~)
- 賭博覇王伝 零(2007年~2013年)
麻雀はよくわからないので、これらの作品の中から麻雀を除く悪魔的なベストギャンブルを選出する。
3位「青天井ポーカー」銀と金
「青天井ポーカー」銀と金4巻
3位は青天井ポーカー。
「銀と金」は福本伸行最高傑作とも言われる伝説的作品である。
「銀と金 1巻」より
途中で打ち切りになってしまったのが功を奏し、引き延ばしがなくクオリティを保っている。
銀と金のあらすじ
裏経済界を牛耳る男・平井銀二との出会いをきっかけに裏社会に飛び込んだ森田鉄雄。
株の仕手戦や巨額なギャンブルなど、闇の金脈を求めて繰り広げられるマネーウォーズを描く。
圧倒的な銀さんの魅力……!
森田が、金持ちのボンボン西条に挑む「青天井ポーカー」がベストギャンブル第3位。
「銀と金 4巻」より
他のギャンブルに比べて話が短いので(わずか8話…!)、その分密度が濃く手に汗握る駆け引きが繰り広げられる。
レートが青天井(無制限)のポーカーは、ポーカーではない。
役は関係なく、相手より金を積んで降ろしてしまえば勝ちになる。
「銀と金 4巻」より
圧倒的な札束が飛び交う、とてつもないポーカーである。
「銀と金 4巻」より
まさに札束の殴り合い…!
「銀と金 4巻」より
10億以上の現金を持つ西条をどうやって倒すのか。
終盤のどんでん返しは福本作品屈指の悪魔的クオリティだと思う。
2位「地下チンチロリン」賭博破戒録カイジ
「地下チンチロリン」賭博破戒録カイジ1~5巻
2位は「賭博破戒録カイジ」から地下チンチロリン。
借金により地下の強制労働所に囚われたカイジ。
「賭博破戒録カイジ 1巻」より
ぼったくり価格のビールと焼鳥が唯一の娯楽。
ホントに美味そうなので、自分もコンビニに焼き鳥を買いに行ってしまった(あまり美味しくなかった)。
「賭博破戒録カイジ 1巻」より
自分の欲望を抑えられず散財するカイジに対する、班長の圧倒的名言…!。
「賭博破戒録カイジ 1巻」より
逆転のため班長とのチンチロリンに挑むカイジだったが敗北。さらに借金を抱えてしまう。
「賭博破戒録カイジ 2巻」より
しかし特殊賽を使ったイカサマを見破ったカイジは、班長に再び挑むための計画を練る。
「賭博破戒録カイジ 2巻」より
イカサマを見破ったのはいいが、問題はどうやって証明するか。
そしてイカサマを逆に利用するためにはどうしたらいいのか。
「Eカード」は真剣勝負だと思ってたら実はイカサマでがっかりしたが、こちらはイカサマが前提の勝負。
その辺りの駆け引き、心理戦が地下チンチロの見どころである。
逆転のためカイジが準備した秘策とは…。
「賭博破戒録カイジ 4巻」より
後で読み返すと細かい伏線がたくさん張られていて驚いた。
「賭博破戒録カイジ 4巻」より
緊張感のある駆け引きと、綿密に練られた構成は悪魔的…!。
これを読まないという手はない。
1位「限定ジャンケン」賭博黙示録カイジ
「限定ジャンケン」賭博黙示録カイジ1~5巻
もはや…説明はいらないはずっ…!
限定ジャンケンが文句なしの一位。
▼有名な利根川先生の演説▼
「賭博黙示録カイジ 1巻」より
「限定ジャンケン」はカードでジャンケンを行って、星を奪い合うだけの単純なゲーム。
そこからこれだけの戦略が生み出されるとは想像もできなかった。
「賭博黙示録カイジ 1巻」より
星やカードは売買することが可能で、状況に応じて価格が上下する。
金をいかに使うか。高い戦略性をもったゲームだった。
「賭博黙示録カイジ 2巻」より
実は他人と協力して、あいこでカードを使い切れば簡単に勝利できる。
しかし「囚人のジレンマ」のようにそう上手くはいかない。
「賭博黙示録カイジ 1巻」より
カイジは株の仕手のごとく「グー」を買い占め、終盤に売り抜ける計画を立てる。
こんな高度な戦術があるとは思いもしなかったので衝撃だった。
「賭博黙示録カイジ 2巻」より
しかし明らかになる別のチームによる「パー」の買い占め。
「賭博黙示録カイジ 2巻」より
完全に追い詰められたカイジの決死の作戦。
「賭博黙示録カイジ 4巻」より
そしてカードを隠し持つ謎の人物「X」の意外な正体とは?
「賭博黙示録カイジ 4巻」より
最後の一瞬まで気が抜けない悪魔的完成度っ…!この密度の濃さには圧倒された。
「賭博黙示録カイジ 5巻」より
これを読んだことないとかありえない、というレベル。
間違いなく福本マンガ最高傑作のギャンブルと言えるだろう。
番外編「黒沢vs赤松」最強伝説黒沢
「黒沢vs赤松」最強伝説黒沢1巻
ギャンブルではないが、この対決は外せないので番外編として選出。
最強伝説黒沢のあらすじ
44歳の土木作業員・黒沢の、哀愁と苦難の日々を描く。
最強伝説黒沢の中で最も光るのが、中年の哀愁を強く感じさせる1巻。
カレンダーに自分の誕生日を書き込むが、誰にも気づいてもらえない。
「最強伝説黒沢 1巻」より
人生どん詰まり、さえない黒沢は、人望のある現場リーダー赤松に一方的に対抗意識を燃やす。
そんな黒沢と赤松の(一方的な)対決を選出。
赤松より人望を集めたい黒沢。
黒沢の作戦は…買ってきたアジフライをこっそりみんなの弁当に入れてあげることっ……!
しかし……。
何もかもが裏目に出るこの切なさ、どん詰まり感を理解できない人とは友達になれない気がする。
「最強伝説黒沢」は心を揺さぶられる悪魔的名作…!
しかし2巻以降は哀愁が薄れ、ギャグマンガになっていく。
それはそれで面白いが、やはり1巻が一番好きである。
まとめ
最近の福本作品は引き伸ばしが多く、かつての悪魔的な魅力が薄れてしまっている。
しかし過去の作品たちの…魅力は健在っ……!
はじめて賭博黙示録カイジを読んだ時の衝撃は、今も忘れられない。
これらを読まずしてギャンブル漫画は語れないだろう。
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