医者は給料は高いのにお金を持っていない。
これは日本に限らず海外でも同じらしい。
最近この事実をうまく説明できる理屈を学んだ。
マルクスの資本論である。
共産主義思想のテキストである資本論は、もはや過去の遺物なのかと思っていた。
しかし資本主義の構造について詳細に分析した前半部分は、現在でも十分に役立つようだ。
資本論を基にしてお金持ちになる方法を解説するのが、人気のインターネットラジオ「サウザーラジオ」。
このラジオは新しい価値観を与えてくれて、働き方を考える上でも非常に有用だった。
サウザーラジオから学ぶシリーズ第二回。
今回はサウザーラジオから学ぶ「マルクス資本論」。
▼第一回サウザーラジオから学ぶブログの続け方▼
給料はどうやって決まるのか
一般的にサラリーマンの給料は、需要と供給のバランスとか、仕事の成果とかで決まると考えられている。
しかしマルクスの考えは異なっている。
資本論のベースとなるのは「給料は労働力再生産のコスト」という考え方。
まず前提として、それぞれの労働者は「労働力」を持っている。
労働力とは働くための気力・体力。
(ストリートファイター2より)
仕事をすることによって労働力は減少する。
翌日仕事に行くためには、減ってしまった労働力を、食事や睡眠で回復する必要がある。
労働力の消費量は仕事の負荷によって異なる。
つまり仕事がハードであれば労働力の減少が大きく、回復のために必要な費用が大きくなると言える(ストレス解消のための消費や酒など)。
そして給料は労働力を回復する費用の分だけ支払われている。
これが資本論のベースとなる「給料は労働力再生産のコスト」という考え方である。
ハードな仕事のほうが給料が高いが、回復のためのコストが高いので結局お金は余らない。
このことはサウザーラジオでわかりやすく説明されている。
給料が増えれば楽になるのに…という考え方は間違い。
給料が増えた分だけ仕事の負担が増え、回復のためのコストが上がるので、お金が余るわけではない。
第五話 給料があと5万増えたら楽になるのに
資本論の考え方は「医者は給料は高いがお金持ちは少ない」という事実をうまく説明できる理屈である。
医者はお金持ちになれないか
サウザーラジオでも「医者は金持ちになれない」と述べられている。
サラリーマン(勤め人)はどれだけ給料が高くても、お金が残らない。
187話はマルクスの資本論を解説した内容でわかりやすかった。
第187話 サウザーさんが医師だったら、医師をどう活用する?
さらに医者は専業主婦の妻を持ち、子供の教育にかかるコストも高いことも拍車をかけている。
お金と時間の自由を目指す
しかしなんとかやりくりすれば、お金を貯めることができるかもしれない。
ただそれは豊かな人生とは言えないのだという。
豊かな人生とは何かを考えたことはあるだろうか。
お金がたくさんあることをイメージすることが多いと思うが、それだけでは豊かな人生とは言えない。
「自分の時間を持っていること」が豊かな人生の条件だと、サウザーさんは語っている。
この概念にはカルチャーショックを受けた。
第九十五話 お金持ちになる人の共通点は何ですか?
サラリーマンがお金を手に入れるには長時間働くしかないが、働けば働くほど時間はなくなる。
ハードワークでお金を稼いでも時間の自由は手に入らない。
給料は高いのに、お金がなくて時間の自由もない。
そうなってしまいがちな医者の働き方は資本論のロジックで完璧に説明できる。
それではどうすれば時間の自由が手に入るのか。
マルクスは「共産主義革命を起こせ」と言ったが失敗。
サウザーラジオでは「金持ち父さん貧乏父さん」を基にして、「自分の商品(ビジネス)を持って金を稼げ」と言っている。
第六話 なぜ昇進の話は受けないほうが良いのか?
医者は知識・技術をひたすら磨き、労働力の価値を高めることだけに注力している。
ところがどれだけ価値を高めても、その労働力から得たお金は残らない。
労働力以外の商品(ビジネス)からお金を得ること。つまり労働力再生産のループから抜け出して、事業所得を作ることが、ラットレースから抜け出すための唯一の方法である。
そのために必要なのは何か。
余暇時間を作ることの重要性
自分のビジネスをつくるために重要なのは、仕事の余暇時間をどう使うかである。
余暇時間の使い方は3つ
- 遊ぶ
- 仕事する
- 自分のビジネスを作る
余暇時間まで仕事に全振りしても、時間の自由は手に入らない。
自分のビジネスを作るために時間を使う必要がある。
しかし仕事にフルコミットしていると、その他の作業をするだけの気力が残らない。
サウザーさんのアドバイスは「本業では力を温存しろ」。
勤め人の仕事で消耗したらいけない。仕事に熟練して早く終わらせて自分の時間を作る。
今までそんなことを考えたことはなかった。
第146話 アフィリエイトのブログ構築が、継続出来ません!
従順であれば会社で褒めてもらえるが、そんなものは承認欲求を満たすためだけの「つまらない飴玉」だとサウザーさんは語る。
医局内や学会内の政治に時間を費やしてはならないということである。
医局や教授に尽くして頑張っても、何の見返りもない。
出世のレースから外れてしまえ、と。
第158話 商品づくりに必須となる『専門性』の磨き方について
まとめ
自分は漫然と医者としての価値を高めようと考え、専門医を取って、研究して論文を書き、その他の関連領域の専門医も取ってきた。
でも最近、そんな一直線のキャリアで積み上げたものに違和感を持つようになってきた。
このままでいいのか、と。
その違和感の正体が言語化されたような気がする。
いくら労働力の価値を高めても人生は豊かにはならない。
これは真面目に働いて経験を積み上げてきた人ほど刺さる考え方なのではないか。
自分の限りあるリソースを別の軸を作ることに割いていく。今まで考えもしなかった価値観である。
資本論とサウザーラジオの考え方は自分のキャリアを見つめなおすきっかけになった。
一朝一夕では無理だし、簡単でもないと思うが、少しずつ積み上げていければと思う。
それではまた。再見!
サウザーさんのブラック企業時代の話もとても参考になるのでオススメ。
▼サウザーラジオから学ぶブログの続け方▼
コメント