今年最初の書評は8冊。
★★★★★5 年間ベスト級
★★★★☆4 読む価値あり
★★★☆☆3 読んでもムダじゃない
★★☆☆☆2 人を選ぶ本
★☆☆☆☆1 時間の無駄?
▼12月の書評▼
1.人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人
評価★★★★☆4
タイトルからはどんな内容かわかりづらいが、想定読者はおそらくキャリアに悩むアラフォー世代。
20代から30代では目の前の仕事に懸命に取り組むことで、成長の実感や満足感を得ることができる。
しかし40歳を目前にして仕事に一定のメドがつくと、働く意味に疑問を持ったり、面白みを感じなくなってしまうことが多いのだという。
これはまさに自分のことで、かなり刺さる内容だった。
ただしどう乗り越えればいいのかについては、漠然としたアドバイスしか書かれていない。
それは自分で考えなさいということだろうな。
2.エッセンシャル思考
評価★★★☆☆3
有名すぎる自己啓発本。
「やることを絞ろう」というのは、ランチェスター戦略と通じる普遍的な考え方である。
この本ではビジネスではなく、個人レベルに落とし込んで解説されている。
元々付き合いの悪い自分にとっては、思想自体は目新しいものではなかったが、各論の技術は役立ちそうなものがいくつかある。
「上手な仕事の断り方」とかはかなり使えそうだ。
3.自分の時間を取り戻そう
評価★★★★☆4
生産性の重要性について述べた本で、日本版のエッセンシャル思考と言える。
本家のエッセンシャル思考は抽象的な部分が多いが、こちらは具体的でわかりやすい。
ベーシックインカムやシェアリングエコノミーについても解説されていて、内容は非常に濃い。
人間は追い込まれないと力が出せない。
効率性を上げて時間を作ろうとしてもうまくいかない。先に時間を制限して自分を追い込むことで効率性を上げるべき、という意見は目からウロコである。
ちきりんの本はスゴイな。
4.29歳からの人生戦略ノート
評価★★★☆☆3
対象年齢が違うけど読んでみた。
内容はノート術の解説。とにかく書き出してみるというのは有効な方法だと思う。
メモ術とか日記術とか、これ系の本はたくさんあるが、この本の特徴は作成するノートの種類がたくさんあること。
この通りにノートを作成すると10冊近くになってしまうのが難点である。
5.ファンベース
評価★★★☆☆3
売上の80%は20%のコアなファンによって支えられているという「パレートの法則」。
そんなコアファンに向けたマーケティングの重要性について書かれた本。
これはSNSの運用にも応用できる。
フォロワーの数よりもフォロワーの熱量が大事。
これを実際のノウハウに落とし込んだのが、ゆうこすの「共感SNS」だと思う。
共感SNSを読んだらこちらは必要ないとも言えるか。
6.「誤診」はなくせるのか
評価★★☆☆☆2
もっと読み物っぽい本かと思って読んでみると、かなり硬派な診断学の分析書だった。
脳科学や哲学的なところまで記載があり、内容はかなり濃いと思う。
しかし、いかんせん訳が悪い。
「どのように自然選択が偽陽性よりも偽陰性を選択してしまう直感的な意思決定に作用してきたかについて論じ…」といった具合である。
ただでさえ内容が難しいのに、訳が悪ければ理解するのは大変だ。
残念ながら、この本の真価を理解することはできなかった。
7.小商いのすすめ
評価★★☆☆☆2
スモールビジネスの話かと思ったら全く違っていた(まえがきにも「そのような本ではありません」と書いてあるが)。
経済成長によって人々は大切なものを失ってしまったという主張の本である。
言ってることは間違っていないが懐古主義すぎる。
戦後の貧しい時代のほうが充足感と人間的幸せがあった、という話が延々と続く。
今が悪かったとしても、昔に戻るのではなく、新しい価値観をどう作っていくかを考えていくべきだろう。
老害という言葉が頭に浮かんでしまった。
8.逆転不動産投資術
評価なし
主に不動産投資に伴う融資について書かれた本。
筆者がどのようにしてトータル10億円以上の融資を受けてきたのかが、詳細に解説されている。
最も重要なのは積算価格以下で物件を購入すること。
積算価格以上で借り入れをしてしまうと、純資産がマイナスになってしまい、その後の融資が難しくなる。
とはいえ積算価格以下の物件はなかなか無いな。
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