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銀英伝を見る前の基礎知識【解説・銀河英雄伝説①】

 

いまさら銀河英雄伝説のアニメをみている。

銀河英雄伝説(銀英伝)は1982年から1987年にかけて刊行されたSF小説で、アニメ化もされている作品である。

 

最近リメイクアニメが制作されているが、今回見たのは旧版アニメ(全110話)。

 

超有名な作品で、もはや一般教養の一つにすらなっている印象だが、今までみたことがなかったのだ。

これはかなり面白い。

戦争だけでなく、政治劇もふんだんに描かれていて、ガンダムよりもリアルなSF作品である。

でも登場人物がむちゃくちゃ多くて、設定も複雑なため混乱してしまうこともある。

そこでまず今回は、銀河英雄伝説をみるための基礎知識を、備忘録的にまとめてみた。

 

①舞台と主人公

 

銀河英雄伝説の舞台

舞台は現代から約1500年後。

宇宙に進出した人類は、二大陣営に分かれて戦っていた。

皇帝と貴族が支配する銀河帝国と、帝国から脱出した共和主義の人々が建国した自由惑星同盟である。

銀河英雄伝説は、この2つの陣営の戦争を描く物語である。

宇宙船同士の艦隊戦と、それぞれの陣営の政治劇が繰り広げられる(モビルスーツは登場しない)。

 

戦争は150年間膠着していたが、帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟のヤン・ウェンリーという若き英雄の登場で歴史は大きく動き始める。

ラインハルトとヤンのそれぞれの視点から物語が進み、まったく違う話が並行して描かれるため、単調にならず物語に求心力がある。

 

2大主人公①ラインハルト・フォン・ローエングラム

ラインハルトは帝国の下級貴族の家の生まれ。

貴族による専横がまかり通る帝国の現体制に疑問を持ち、王朝の打倒を目指し軍人になった。

軍人としての目覚ましい功績で異例の速さで昇進を続け、数々の戦役に勝利し周囲から絶大な支持を集めている。

だがそれを妬ましく思う貴族も多い。

ラインハルト編は、貴族たちの妨害を退け、皇帝へと上り詰めるサクセスストーリーである。

 

2大主人公②ヤン・ウェンリー

一方ヤンは歴史研究家になることが夢で、無料で歴史を学べるという理由から士官学校に入学。

現在の目標は、退役後年金を貰いながら歴史の研究を行うこと・・というユルい人物である。

しかし豊富な歴史の知識を生かした用兵術は他を寄せ付けず、本人の意志とは裏腹に最前線において武勲を重ねている。

ヤン編はサラリーマン軍人が、組織のしがらみの中で苦労するようなストーリーになっていて、共感が持てる。

 

②地理と勢力

 

銀河は帝国領と同盟領で2分されていて、2つの領土はイゼルローン回廊とフェザーン回廊でつながっている。

イゼルローン回廊には帝国が作ったイゼルローン要塞(SWのデススター的な要塞)があり、同盟の進行を防いでいる。

 

一方フェザーン回廊は中立地帯で、宇宙商人が治める自治領になっている。帝国と同盟の両方に武器を売って儲けていて、それなりの武力も持つトリックスター的な勢力である。

 

それぞれの戦力比は以下の通り。

 

帝国がやや有利な戦況である。

 

③ラインハルトとヤンのまわりの人たち

 

ここが複雑でわかりにくいところ。たくさんの登場人物がいるため混乱してしまう。

特に同盟側は役職が複雑なので整理しておく。

 

銀河帝国側

帝国の指揮系統はわかりやすい。

トップは当然皇帝だが、政治にも軍事にも興味がなく、実権は宰相(代理)のリヒテンラーデが握っている。

 

ラインハルトの軍には3人の幹部がいる。

ラインハルトの幼少期からの親友キルヒアイス。それからミッターマイヤーとロイエンタール(名前がドイツ語なのでとても覚えにくい…)。

 

3人とも艦隊を率いて戦う司令官としての能力も優れた武将である。

 

宇宙惑星同盟側

一方同盟は文民統制で、国民が選んだ政治家の下に軍部が存在する。

政治のトップは11人の政治家から成る最高評議会。

評議員の中の国防委員長トリューニヒトが軍の直接の上役にあたる。

 

軍はトップに統合作戦本部があり、12個の艦隊が存在する。

統合作戦本部長が同盟軍における軍部のトップ。ナンバー2は宇宙艦隊司令長官で、その次に統合作戦本部次長となる。

軍内部はトリューニヒト派と反トリューニヒト派に分かれている。

ヤンは第6艦隊の司令官の補佐役として参戦。ヤンには直接の部下は存在しない。

 

④帝国と同盟の戦争

 

同盟はイゼルローン要塞の攻略に6度挑むが失敗。

帝国はイゼルローン回廊からさらに勢力を拡大すべく、同盟領方面へ侵攻した。

物語はアスターテ星域での会戦から始まる。

 

侵攻するラインハルト率いる帝国軍艦隊だったが、フェザーンによって同盟へ情報がリークされていた。

待ち伏せしていた4万の同盟軍は、2万のラインハルト軍を包囲すべく作戦を開始。

さらにラインハルトを憎む帝国貴族の策略で、ミッターマイヤーとロイエンタールが編成から外されてしまい、飛車角落ちの状況。

これだけ不利な状況でラインハルトはどう戦うのか。

一方第六艦隊司令官の補佐役として参戦したヤンは、この包囲網の弱点を指摘するが、意見は取り入れられず…。

という状況で第一話が始まるのであった。

 

まとめ

 

銀英伝を見るために必要な基礎知識をまとめた。

今後さらに詳しく銀英伝を紹介する予定である。

第一回:見る前の基礎知識

第二回:ベストシーンを紹介・解説

第三回:好きなキャラクターを紹介・解説

 

銀河の歴史がまた1ページ。

つづく

銀英伝から学ぶ政治の話【解説・銀河英雄伝説②】
前回は銀英伝の基礎知識について解説した。 今回は銀英伝のメインテーマである「独裁政治vs民主政治」について。 独裁政治と民主政治はどちらが優れているのか。 一般的なのは民主政治が優れていると...

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