Youtubeで公開している「動画で学ぶ皮膚疾患」は、教科書にはあまり書かれていない診療のポイントを、約10分で解説する初心者向けの動画コンテンツです。
動画で使用しているスライドを解説付きで公開します。
今回は足白癬の診断と治療についてです。
足白癬の診断
「みずむし」を主訴に受診した患者の3割程度が白癬ではなかったというデータがあります。
白癬は意外と間違いやすいのです。
この2つの写真は白癬と湿疹ですが、見た目では区別ができません。
白癬の診断のためには顕微鏡検査が必須です。
足白癬の治療
次に治療の注意点について解説します。
足白癬の治療では、塗り方と接触皮膚炎に注意する必要があります。
①塗り方
まず塗り方のポイントは、足全体に塗ることと、症状が改善しても外用を続けることです。
足全体に塗るためには1ヶ月でチューブ3本使う必要があります。
十分な量を処方しましょう。
次に外用期間についてです。
白癬菌は角層に生息しますが、ある程度増殖するまで症状は出てきません。
そのため治療を始めて、ある程度菌の量が減ると症状は消えてしまいます。
しかし白癬菌は残っているので、その時点で治療を止めれば再燃してしまうのです。
症状が改善しても1ヶ月は外用を続けましょう。
②かぶれ
万が一、顕微鏡検査ができないときはどうしたらよいでしょうか。
その場合は、まず湿疹の治療を行ってください。
湿疹であれば治癒しますし、白癬であれば治癒しません。
しかし先に抗真菌薬を使用してしまうと、やっかいなことになります。
抗真菌薬は接触皮膚炎を起こすことがあります。
そのため治らなくても湿疹とは言えないのです。
さらにその後に顕微鏡検査を行っても、偽陰性となり診断ができません。
まとめ
次回は「帯状疱疹」について
つづく
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