以前、ハンターハンターの名場面を5つ選んだ。
ハンターハンターは現在第一話からずっと連載を追っている数少ないマンガの一つ。
もはや人生の一部と化しているような気もする。
このマンガからはビジネスについても学ぶべき点が多い。
そこで今回はハンターハンターの名言を5つ選出して、関連するビジネス書を紹介してみる。
1.メモリーのムダ使い
天空闘技場でのヒソカvsカストロ時のセリフ。
(HUNTER✕HUNTER6巻より)
カストロは操作系と具現化系の2つの系統を組み合わせた複雑な能力「分身(ダブル)」を習得。
しかし彼の本来の資質は強化系で、操作系と具現化系は苦手。
そのため能力の燃費が悪く、本来の力を発揮できずにヒソカに敗れ去った。
この教訓は現実社会でも役に立つ。
努力の量が成果に比例するとは限らない。
我々のメモリーも限られており、ムダ使いをしないように注意しなければならない。
何をやるかよりも、何をやらないかを決めることのほうが重要なのだ。
世の中では「置かれた場所で咲きなさい」と言われたりして、現状で頑張ることが美徳とされている。
しかしそれは苦手な能力を習得しようとする努力なのかもしれない。
がむしゃらに頑張るのではなく、努力の方向性を考えるようにしたい。
【関連記事】頑張れば報われるのでしょうか?
2.制約と誓約
リスクを負ってパワーを発揮するのはマンガでよくある話。
しかしそれを能力のルールとして明文化したことにより、ハンターハンターのバトルに深みを増した。
これは色々なことに応用可能な原則である。
(HUNTER✕HUNTER9巻より)
優れた作品が制約によって生み出されることは多い。
たとえばスティーブン・スピルバーグの「ジョーズ」。
撮影中、本来使用するはずだったサメの模型が故障してしまったために、サメを直接見せない演出に切り替えざるをえなかった。
しかしその暗示的な演出が評価され大ヒットしたのである。
これは日常生活にも当てはまる。
時間が制限されることで、不可抗力的に仕事の効率性が増す。
ブラック労働を肯定する気はないが、普通ではこなせないくらいの仕事量があることによって、効率化のスキルが身につくことは現実である。
【関連記事】ブラック労働の功と罪
3.男のジェラシーは見苦しいぜ
クラピカが所属するマフィア組織のボス・ノストラードのセリフ。
(HUNTER✕HUNTER 11巻より)
我々にとって嫉妬心は重要な課題である。
他人の足を引っ張りたくなることもあるし、自分が足を引っ張られることもある。
天才はまわりの人間からの嫉妬によってスポイルされることが多いのだという。
そのため世の中で成功するための条件は、勝っても嫉妬されないような空気を作ることだと言われている。
私達は都合よく情報を切り取って、理解したいように解釈している
自分のジェラシーをうまくコントロールすること。
また人からジェラシーを抱かれないように爪を隠すのが、世の中をうまく生きるコツである。
時にはあえて無能をアピールすることも必要かもしれない。
なかなかうまくいかないけど…。
【関連記事】レベロから学ぶピーターの法則
4.動機の言語化か…
幻影旅団団長クロロのセリフ。
(HUNTER✕HUNTER12巻より)
自分の内面を言語化することは大切なことである。
精神科医春日武彦先生によると、カウンセリングの核心は言語化にあるのだという。
漠然とした感情にきちんと言葉を与えることで、論理的に自分を見つめ直すことができる。
自分の感情を言語化することが精神の安定につながるのである。
また言語化によって物事の理解を深めることができる。
雪の世界に暮らすエスキモーは、「白」と表現する色の語彙を数十種類も持っているそうだ。
同じものを見ていても、それを言葉で表現することができるかどうかで、その見え方が違ってくる。
ブログも自分の内面を言語化するツールとして有用だと思う。
【関連記事】ブログの真髄は思考の言語化である
5.いかに冷静でイカレてるか相手に理解させるのがコツだ
ゲンスルーが語った交渉のノウハウ。
(HUNTER✕HUNTER15巻より)
合理の文脈から外れた手を打たれると、人はまともな対応ができなくなる。
たとえば古代中国の春秋時代。
越の王・勾践(こうせん)は驚くべき戦い方をしたそうだ。
敵陣地の目の前へ現れた越軍の兵士は、大声で叫びながら一斉に自分たちの首をはねた。
この常軌を逸した行動に対して動揺している隙に乗じて、越軍の本体が襲いかかり勝利した。
交渉においてはロジックだけでなく、時にはイカれた行動で相手を動揺させることも必要なのかもしれない。
番外編. オレでなきゃ見逃しちゃうね
ハンターハンターのモブキャラで一番人気がある人(名称不明)のセリフ。
通称「団長の手刀を見逃さなかった人」。
(HUNTER✕HUNTER11巻より)
相当な実力者のような雰囲気を醸し出しつつ、名前すら明かされず瞬殺された愛すべきキャラクターである。
ちなみに彼が見ているのは録画映像であり、手刀が見えたのは彼の実力ではなくモニターの性能だったとも言われている。
まとめ
今回はハンターハンターの名言を紹介した。
もう再開は絶望的かもしれないが、このマンガから学んだことは多い。
引き続き連載の再開を待ちたいと思う。
▼ハンターハンターの関連記事▼
▼今回紹介した書籍▼
コメント